すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
佐保川(奈良市)
奈良の若草山から東へ流れ、奈良の市街地を回りこむようにして南の大和川に注ぐ佐保川。 佐保川の風景は万葉歌人たちに愛され、多くの歌が詠まれてきた。 そして現在では、多くの万葉歌碑が佐保川周辺に建てられて、観光ルートにもなっている。 ![]() <佐保川沿いにあった地図> いやはや、次回はぜひともレンタサイクルで回って、万葉歌碑巡りをしてみたくなる。 (流行りの中国語や韓国語の訳もついているが、そんな需要があるのかな?) 【佐保川】 ![]() ![]() ![]() ![]() 訪問したのは2月。 川に沿って桜並木がずっと続いており、桜の季節になれば素晴らしい光景になるのだろう。 【佐保川の万葉歌】 |
佐保川の 清き河原に 鳴く千鳥 かはづと二つ 忘れかねつも | 万葉集 |
千鳥鳴く 佐保の川瀬の さざれ波 止む時もなし 我が恋ふらくは | 大伴坂上郎女(万葉集) | |
千鳥が悲しげに鳴く佐保河の瀬の小波、そのようにやむ時もないわが恋心よ。 『万葉集 全訳注原文付』(編者/中西進) |
佐保川の川波立たず静けくも君にたぐひて明日さへもがも | 万葉集 |
「佐保川」に対し、「佐保山」もあるようだ。いまの平城(ナラ)丘陵あたりらしい。![]() 水上池から見た平城丘陵。山ではなく丘であった。 |
春日なる御笠の山に月も出でぬかも佐紀山に咲ける桜の花の見ゆべく | 万葉集 |