現地の駒札に全部書いてあったので、それを転記しよう。
西行桜
西行法師は平安時代後期の僧侶で歌人としても有名です。ある年の五月、善光寺参詣に続いて戸隠にも詣でようと参道を歩いておりました。
ちょうど火之御子社に差し掛かると、地元の子供らが遊んでいましたが、西行の姿を見るとするすると桜の木に登っていってしまいました。
子供好きな西行はいたずら心から「猿稚児と見るより早く木に登る」(猿のような子供たちだな、と思う間に木に登ってしまった)と木の上の子供たちに声をかけました。すると「犬の様なる法師来たれば」(犬のようなお坊さんがやってきたからだよ)と答えるではありませんか。
実はこれより先、一の鳥居でも子供たちをからかったつもりが逆にやり返されていた西行は子供たちの賢さに驚き、また、戯れ心を起こした自分を恥じて、「これ以上神域に立ち入ったらどんな恐ろしいことが起こるかわからない」と火之御子社から戸隠山を遙拝し、引き返したと言われております。
この西行桜は、自生種のオオヤマザクラです。 |

駒札に書いてある以上に付け加えるような情報は持っていない。
【現地訪問】

写真の真ん中の細い木が西行桜。
子供たちが登るようなサイズではない。
当然、代替わりしているのだろう。

根本の横に西行桜の石碑があった。

これは火之御子社。西行桜は火之御子社の境内にある。
西行はここから戸隠山を遙拝したとのこと。
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