すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


境川(静岡県湖西市)






遠州へつぎ合わせたる橋なればにかはの国といふべかりける 東海道中膝栗毛

旧東海道の遠江国と三河国の国境。
川が国境となっていて、その名も境川。そして橋は境橋という。
歌の意味は、遠江国と継ぎ合わせているので、三河国ではなく接着剤の「膠(にかわ)」だということで、まあ、膠という言葉が一般的ではなくなった現在では何のことだか分からないギャグになっている。


ここが国境、いまでも静岡県と愛知県の県境。
見えにくいが、道路の手前は橋である。



これが境川。橋から北を望む。右が遠江、左が三河。






歌川広重の東海道五十三次の浮世絵。 (WIKIPEDIA)

え〜と、これは二川宿の名所絵であるが、場所はこの境川を少し遠州側に入ったところの茶店。「名物柏餅」の看板が出ている。瞽女の旅人が三人歩いている。

江戸時代の旅は日中であれば比較的安全であったようで、女性だけの旅も珍しくなかったようだ。中には健脚の女性もいたようで、

十里ゆく女も見えて春日かな 一瓜

天気が良かったら一日に十里も歩く女性もいるとの意味。













たしか尾張と三河の国境も境川と境橋だったような。






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