すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
坂下(三重県亀山市)
東海道五十三次の48番目の宿場である坂下宿。 険峻な鈴鹿峠の東麓に位置し、それなりに大きな宿場町であったようだ。 そして鈴鹿峠は馬子唄の発祥とされ、坂下宿も歌詞に登場する。 |
坂の下では 大竹小竹 宿がとりたや 小竹屋に | 鈴鹿馬子唄 |
「大竹屋は坂下宿の本陣の1つで小竹屋は脇本陣であった。本陣である大竹屋に庶民が泊まるのは不可能だが、脇本陣の小竹屋には少なくとも泊まってみたいものだ。」(WIKIPEDIA「坂下宿」) 明治時代に鉄道が敷かれたが、鈴鹿峠は険しいことから柘植経由となったため、坂下は急激に衰退。現在ではほとんど跡形が残っていない。 ![]() 現在の坂下宿。それとなく面影が残る。茶畑になっているところもあった。 ![]() 休みの日であったが、誰もいなかった。 こんな中、馬子唄に登場する大竹小竹の跡地を発見 |
その他、坂下宿を詠んだ歌を紹介 |
色々の紅葉をかはす坂の下 ふりすてかたき鈴鹿やま哉 | 井上通女(東海紀行) |
はる駒のすずかを越して初日かけ 坂は照る照るこの坂の下 | 三橋有慶(狂歌両節) |
越えてきて鈴鹿の坂の下うれし わきへの里の近ずく思へば | 本居宣長(鈴屋集) |
よしや日は来る共ゆかむ鷹の尾と 聞けば鈴鹿の坂の下迄 | 本居宣長(名所和歌集) |
咲にけり坂の下てる姫つつじ 遠き神代の春を残して | 権大僧都尭孝(伊勢紀行) |
神も又幾万度むかふらん 君が八千世のさかの下みち | 権大僧都尭孝(伊勢紀行) |
う〜ん、 鈴鹿峠の急な坂の下という、一般名詞のような地名なので、まあ、なんというか。 |