すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


坂田(滋賀県米原市)




滋賀県の米原市の辺りは、昔は坂田郡と称していた。

今でもJR北陸線に「坂田駅」があるが、どちらかと言うと忘れられたような地名になっている。

そんな坂田の地であるが、歴史的には倭姫命が天照皇大神の鎮座地を求めて伊勢にたどり着くまでに「坂田宮」で2年間滞在したことから「元伊勢」の伝承地となっている。

その後は伊勢神宮の神田(領田)となり、坂田御厨と呼ばれた。

こんな由緒があるので、坂田は寿ぎの歌の歌枕となったようだ。



仁安元年、大嘗会悠紀歌奉りけるに、稲舂歌

近江のや坂田の稻を掛け積みて道ある御代の初めにぞ舂(つ) 藤原俊成(新古今和歌集)



山のごと坂田の稲を抜き積みて君が千歳の初穂にぞ舂(つ) 大中臣輔親(愛国百人一首



ちなみに愛国百人一首は第二次大戦中に愛国精神高揚の翼賛運動として万葉以来の愛国歌を採録。
これはこれでとても興味深い。(愛国百人一首 -Wikipedia-








そんな坂田の地に行ってきた。


【坂田神明宮】 ・・・ 米原市宇賀野835-2

元伊勢の坂田宮。
本当に閑散としていた。



境内にゆかし気な泉が湧いていた。



坂田宮の周り。ここらが伊勢神宮の領田だったのかも。



踏切が鳴ったので、北陸線の電車を撮ろうとしたら、大阪で普通に見られる223系新快速であった。
坂田神明宮は北陸線の真横にある。















当初、
マイナーな歌枕の地と思ってましたが、
それなりの由緒があり満足しました。






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