すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
酒匂川は、富士山の裾野の御殿場市付近に源を発し、足柄平野を貫流し、小田原市にて相模湾に注ぐ。旧名は丸子川。 東海道は川の河口付近で渡河するが、江戸時代まで橋は架けられず、広い川幅を 建久元年(1190年)、源頼朝が上洛の途上、丸子川(現酒匂川)の渡河の際に、梶原景時の気性の荒い馬が波を蹴って頼朝に水をかけてしまい、頼朝が景時を睨みつけてきた。 そこで二人の歌のやり取り |
上句 | 丸子川 ければぞ波は あがりける | 梶山景時 |
下句 | かかりあしくも 人や見るらん | 源頼朝 |
■ 現地訪問![]() 現在、東海道の酒匂川渡河地点には酒匂橋が架かっている。酒匂橋の西詰の写真 ![]() 酒匂橋から北向き(上流方向)に撮影 ![]() これも かなり広い川幅であった ところが、酒匂川の東側に小さな川があり、そこに小さな橋が架かっていて、なんとその小さな橋は頼朝と景時の連歌にちなんで『連歌橋』と命名されているので驚きだ ![]() 連歌橋、西側から撮影 ![]() 連歌橋、全景 ![]() 連歌橋、東側から ![]() 交差点名も連歌橋 東海道中膝栗毛の挿歌 |
われわれは二人川越二人にて酒匂の川に〆て酔うたり | 東海道中膝栗毛 |
え〜と、弥次郎兵衛と喜多八の二人と川越人夫二人の合計四人の「よつたり」を、地名の酒にちなんで「酔うたり」と掛けたもの。 |