すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


酒匂川(さかわがわ)(神奈川県小田原市)






浮世絵 : 東海道五十三次 「小田原 (酒匂川) 」

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酒匂川は、富士山の裾野の御殿場市付近に源を発し、足柄平野を貫流し、小田原市にて相模湾に注ぐ。旧名は丸子川。

東海道は川の河口付近で渡河するが、江戸時代まで橋は架けられず、広い川幅を徒歩(かち)で渡っていた。(冬季は仮の土橋が架けられていた)

建久元年(1190年)、源頼朝が上洛の途上、丸子川(現酒匂川)の渡河の際に、梶原景時の気性の荒い馬が波を蹴って頼朝に水をかけてしまい、頼朝が景時を睨みつけてきた。

そこで二人の歌のやり取り

上句 丸子川 ければぞ波は あがりける 梶山景時
下句 かかりあしくも 人や見るらん 源頼朝







■ 現地訪問



現在、東海道の酒匂川渡河地点には酒匂橋が架かっている。酒匂橋の西詰の写真



酒匂橋から北向き(上流方向)に撮影



これも
かなり広い川幅であった





ところが、酒匂川の東側に小さな川があり、そこに小さな橋が架かっていて、なんとその小さな橋は頼朝と景時の連歌にちなんで『連歌橋』と命名されているので驚きだ



連歌橋、西側から撮影



連歌橋、全景



連歌橋、東側から



交差点名も連歌橋















東海道中膝栗毛の挿歌


われわれは二人川越二人にて酒匂の川に〆て酔うたり 東海道中膝栗毛


え〜と、弥次郎兵衛と喜多八の二人と川越人夫二人の合計四人の「よつたり」を、地名の酒にちなんで「酔うたり」と掛けたもの。













酒の匂いの川と、改めて見直してみると、すごい名前だなと思います





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