すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
佐紀沢(奈良市)
現在でも平城京から北側の一帯は奈良市「佐紀町」である。 地図で見ると佐紀町には池がたくさんあり、どれが万葉集で詠まれた佐紀沢や佐紀沼なのか分からない。 まあ、この辺りの水辺のことだろう。 【水上池】 ![]() 【磐之媛命陵の堀池】 ![]() ![]() 佐紀沢の関連歌で一番有名なのがこれだろう |
をみなへし佐紀沢に生ふる花かつみかつても知らぬ恋もするかも | 万葉集 | |
わたしはあなたに逢いましてから、これまで一度も経験のない、 恋い焦れ方をいたしていることです。(「大和万葉旅行」堀内民一) |
「花かつみ」って、松尾芭蕉が奥の細道で「かつみ、かつみ、と尋ね歩き」、結局わからなかったあの「花かつみ」と同じなのか、どうなのか、植物に興味がないので、これ以上追求しないが、このあたりの水辺に咲いていたのであろう。 その他、佐紀沢関連万葉歌 |
かきつはた左紀沢に生ふる菅の根の絶ゆとや君が見えぬこのころ | 万葉集 |
ことさらに衣は摺らじをみなへし佐紀野の萩ににほひて居らむ | 万葉集 |
をみなへし佐紀野に生ふる白つつじ知らぬこともち言はえし我 | 万葉集 |
をみなへし佐紀沢の辺の真葛原いつかも繰りて我が衣に着む | 万葉集 |
かきつはた佐紀沼の菅を笠に縫ひ着む日を待つに年ぞ経にける | 万葉集 |