すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
桜井の里(大阪府島本町)
JR東海道線、島本駅前に「桜井駅跡」があった。 この桜井駅の方は、鉄道が走っていたのではなく、古代の律令制度の駅家のこと。駅使のために馬が用意されていたという。 太平記で、足利尊氏との戦いで湊川に向かう楠正成が、子供の正行と涙ながらに別れたが、その場所がたまたま桜井駅跡であったことから、楠正成ゆかりの地となり、現在の桜井駅跡はさながら楠親子の史跡の展示場のような様相になっていた。 こんなかんじ ![]() 駅のロータリーから。 ![]() 桜井駅跡として公園のように整備されている。 ![]() 「史跡櫻井驛阯」の石碑 ![]() これは「楠公父子訣児之處 碑」 なんと裏面にはハリーパークスの英文の文字が 刻まれているとか。 ![]() これは「楠公父子子別れの石像」 父子が向かい合っている。 台座に「滅私奉公」の題字がある。 ![]() 同じく「楠公父子訣児之處 碑」 陸軍大将 乃木希典の書 ![]() 「明治天皇御製 碑」 |
子わかれの 松のしづくに 袖ぬれて 昔をしのぶ さくらゐのさと | 明治天皇 |
![]() 「旗立松」 老松のもとに駒を留めて父子が訣別したと伝えられている。 根が保存されている。 ![]() 「櫻井驛址 碑」 ![]() 「忠義貫乾坤 碑」 まだまだ他にも探せばいろいろありそうであった。 「大隈重信手植之松の碑」」というのもあったらしいが、わからなかった。 和歌は、上記の明治天皇御製の一首のほかは、手元に収集できたのは「太平記」以前の平和な牧歌的な二首のみ。 これも探せばいろいろあるのだろう。 |
秋風の吹くに散りかふもみぢ葉を花とや思ふ桜井の里 | 藤原実方(夫木和歌集) | |
花を見し春のにしきの名残とて木の葉色づく桜井の里 | 藤原為家(夫木和歌集) |
その他、能の謡蹟として説明書きがあった。 ![]() ただし「楠露」という演目はいまだ聞いたことがない。 |