すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


桜の山(滋賀県野洲市)







「桜の山」は普通名詞のようだけど近江国の立派な歌枕である。

満開の桜は慶祝性があるということで、大嘗会和歌に詠進されることもあった。

山いっぱいに桜の花が咲いていたから「桜の山」となったというよりも、西麓に鎮座する野蔵神社の祭神が木之花佐久夜比売(このはなさくやひめ)命であることに因んだようだ。







■ これが「桜の山」


現在は菩提寺山と呼ばれている、北西方向から撮影



ゴルフ練習場越しに撮影



西麓にある野蔵神社、社頭は国道に面している



杉林の参道を歩いて行くと、明るい空間が現れて、拝殿があった



これは本殿







こんな「桜の山」を詠んだ歌


大嘗会悠紀方御屏風、桜山松樹交枝
松が枝に枝差し交し桜山 花も千歳に春や匂はむ 藤原俊成(長秋詠藻)


三上なる桜の山は花ざかり 散るてふことはあらじとぞ思ふ 大江匡房(歌枕名寄)


大方(おほかた)のまがはぬ雲もかをるらむ 桜の山の春のあけぼの 藤原定家(拾遺愚草)


桜山花咲き匂ふかひありて 旅行く人も立ちとまりけり 歌枕名寄


神の()す森の梢にかけてけり 桜の山の蔵の白木綿(しらゆう) 源業壽


桜山梢の雪のきえぬるは 折たがへぬる花かとぞみる 上西門院兵衛(夫木和歌抄)













是非とも歌碑を設置してほしいです





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