すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


佐太の浦(さたのうら)(島根県松江市)





沖つ波辺波(へなみ)来寄(きよ)佐太の浦のこの(さた)過ぎて(のち)恋ひむかも 万葉集


「さた」とは「時」のこと。
“この逢瀬の「時」が過ぎ去ると、後で恋しくなってくる”という内容。
この「さた」を導くために「佐太の浦」を用いている。
この万葉集に詠まれた「佐太の浦」は、島根半島の松江市鹿島の佐陀川河口付近だとされている。

この万葉歌を、どんな人がどんな思いで詠んだのかよく分からないが、万葉時代に島根半島の日本海側にある小さな入江の地名が人々に知られていたことに驚く。高度情報社会となった現在でも島根県の片田舎の地名など殆ど知られていない。


【佐太の浦】









現地に訪問して地元民の海水浴場を撮影してきた。
特に印象に残るような風景でもなかった。



その他、佐太の浦を詠んだ歌


さたの浦に寄する白波あひたなく 思ふをいかに妹にあひかたき 名所歌枕


人こゝろ思ひ出づるも出雲なる さたの浦なみ定めかねつゝ 藤原家隆








転載フリーの「しまね観光ナビ」(古浦海水浴場)から写真を拝借












すぐ近くにある中国電力の島根原発に行ってみたいです






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