すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
五月山 花橘に ほととぎす 隠らふ時に 逢へる君かも | 万葉集 |
五月山 卯の花月夜 ほととぎす 聞けども飽かず また鳴かぬかも | 万葉集 |
「ホトトギス」という鳥は、和歌の世界ではとてもメジャーな存在であるのだが、実はどんな鳥なのか知らないし、見たこともない。 鶯、雁、千鳥などは何となく知っているのに比べて、ホトトギスは想像すらできない。 季節としては夏の鳥であるが、それなら渡り鳥なのか。 いったいどんな鳥でどんな鳴き声なのか、21世紀の現在の日本にいるのかいないのか、知りたい。 とにかく、歌枕としての五月山はホトトギスがよく詠み込まれたようだ。 |
五月山 こずゑを高み ほととぎす 鳴くね空なる 恋もするかな | 紀貫之(古今和歌集) |
その他、鹿も一緒に詠まれている |
五月山 木の下闇に ともす火は 鹿の立つとの しるべなりけり | 紀貫之(拾遺和歌集) |
五月山は、大阪の池田市にある山。 山頂からの眺望が素晴らしく、私も学生時代によく行った。 大阪平野の夜景や伊丹空港の飛行機の離発着が見える。 |