すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


薩た峠(静岡市清水区)




古典文学的な場所かと言えば、そうかも知れないし、ちょっと違うかも知れない。

古代の東海道は、「薩た峠」を越えずに海岸の岩間を潮待ちしながら通行していたらしい。
そのあと地形が変わり、海岸は通れなくなって、峠越えすることになった。

古代からの通行の要衝地で、現在もJR東海道本線、東名高速、国道1号線が束になって通行している。

    

天気が良ければ、富士山がバックにあって、素晴らしい写真になっていただろう。

「薩た峠」の古称は「磐城山」といったらしい。
万葉集に「磐城山」を詠んだ歌がある。



磐城山直越え来ませ磯崎許奴美の浜に我れ立ち待たむ 万葉集












大地震で岩場が隆起して、そこを現在では鉄道と道路が
通っているのですが、海食崖と波食台の地形マニアとしては、
はずせない訪問地でした。












<追記>

2020年2月、東海道歩き旅で、薩た峠から富士山が見えた。
富士山を見るために真冬にスケジュールを立てたもの。
清水スタート、一日目は富士市まで、二日目は沼津駅までの行程。
ずっと曇り空だったので、青い空をバックにした富士山は望めなかったが、まあこれで満足である。









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