すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
関(三重県亀山市)
古代の三関の一つ、「鈴鹿関」が現在の関。 東海道の鈴鹿越えの地点に設置されていた。 江戸時代には東海道五十三次の宿場町として栄えた。 東へは伊勢別街道、西は大和街道が分岐する交通の要衝であった。 現在の宿場町 ![]() 旧東海道に沿って約1.8キロにわたって江戸時代の町並みが保存されている。 こんなかんじ(連続写真) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() いやはや素晴らしい! けれども、こんな素晴らしい街並みの中に観光客がほとんどいなかった。 もっとアピールしたらいいのにと思う。 まあ、とっても地味で、個人的に好感のもてる雰囲気であった。 ![]() 広重の浮世絵(東海道五十三次)、Wikipediaより ![]() 「関 本陣早立」 う〜ん。あんまり印象に残らない構図。 「関」の地名も地味だし、 何かにつけて地味で特徴のない場所だったのかな? こんな関の関連した歌を集めてみたが、「関」というよりは、「鈴鹿」をモチーフにした中で関連して「関」が登場するような感じ。 |
小萩原花にて秋はとまりける関屋は嵐のもる名のみして | 鴨長明 | |
すずか山関越えならず道すがら嶺の木の葉に秋風ぞ吹く | 藤原良平 | |
ふる侭に跡絶えぬれば鈴鹿山雪こそ関のとざしなりけれ | 九条内大臣(千載和歌集) | |
鈴鹿なる関の山の端高けれど越えて過ぎゆく秋の夜の月 | 名寄 | |
鈴鹿山関の戸あくるしののめになお道たゆる嶺のしら雪 | 後京極院 | |
鈴鹿川こほりや関となりぬらん やそせの水もゆきやらせぬまで | 新続古 | |
すずか山むまや伝ひに関越えて いく日になりぬ古里の空 | 祥月法師(新続古) | |
月やしる身をばいかにと鈴鹿山 越て嬉しき関路成らん | 御製(天文十一年歌合) | |
鈴鹿山なお降りまさる白雪に関路越うき夕暮の空 | 幡野武豊(細江草) | |
すずか山名にふりける関になお心をとむる花の下かげ | 青木詠言 | |
道ほそき関の馬屋の鈴鹿山ふりはえ過ぎる友よばふなり | 藤原為家 | |
すずか川関の戸よりもこえわびぬ ふり出でし雨の八十瀬しらなみ | 正徹 | |
すずか山春の霞のすえおくや八十関越ゆる四方の旅人 | 正徹 | |
よひよひの誰が通ひ路ぞ鈴鹿姫 関もる山は旅人ぞゆく | 正徹 | |
かすみ行くむまやの道のすずか山 越ゆらん春に関の戸もなし | 肖柏 | |
すずか山あけがた近き関の戸をふり出てて鳴くほととぎすかな | 飛鳥井雅有(続千載) | |
もみじ葉の関は鈴鹿のいせの山 錦をぬすむ風の音すな | 僧正慈円 | |
わが恋やこの世を関と鈴鹿川 そぞろに袖のかくはしほれし | 右大臣(若宮撰) | |
鈴鹿路もゆききさはらす古き世の 関は駅の名のみのこりて | 本居宣長(名所和歌集) | |
鈴鹿山関やも見えぬ霧のうちに 朝たつ駒の音ぞきこゆる | 木下幸文 | |
絶えずその音ぞ聞こゆる鈴鹿山 戸ざさぬ関は夜も越ゆらん | 霊元法皇 | |
春はただ花や関守すずか山 ふりすてて行く旅人もなし | 霊元法皇 |
この膨大な歌については、地元亀山の「亀山市民協働センター みらい」のホームページを参考にさせていただきました。![]() http://www.shimin-kyodo.sakura.ne.jp/ の中の「和歌俳句」のページ http://www.shimin-kyodo.sakura.ne.jp/bungei/wakahaikuindex.htm |