すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
関屋の松(島根県出雲市)
関屋の松を地図で調べていたところ、宍道湖の畔に「出雲縁結び空港」なる空港を“発見”して、その名の奇特さに思わず失笑してしまった。 たしかに出雲大社は縁結びの神様であるが、それを空港名に入れるとは強引すぎるというか、悪ふざけしすぎるように思う。なんとも恥ずかしい気分になってくる。 ただし、よく探してみると日本のあちこちに同様の変な名前の空港があった。それぞれどんな気持ちで名付けたのだろうか。
特にH鳥取砂丘コナン空港やI米子鬼太郎空港、M徳島阿波おどり空港なんかひどいと思う。ABおいしい空港も赤面してしまう。空港や機内の案内放送で、マイクを持つ人が吹き出して笑わないか心配である。 N高知龍馬空港は、ジョン・F・ケネディ空港(NY)、レオナルド・ダ・ビンチ空港(ローマ)、チンギスハン空港(ウランバートル)と同じく偉人名空港で、まあ、しゃーないかなと思う。 Eセントレアはまだ許せる。 Fマリンエアについては、私は大阪在住であるがその名を聞いたことがない。 そんなどうでもいいことを考えながら、今回は出雲大社八景の一つ、「関屋翠松」の関屋の松を訪ねた。 出雲大社の東、1.5キロメートル。 昔は出雲大社の東の入り口として関所が設けられていたらしい。 そこには松の老木が5本あって、関屋の松と呼ばれ、「関屋翠松」として名勝地になっていたと。 ![]() 現在の関屋の松 5本の松の老木は、全て寿命が来てしまい、枯れてしまったようだ。 周りの風景 ![]() 西向き(出雲大社方向) ![]() 東向き(出雲大社と反対方向) ![]() 南向き 多分、川が流れていたのだろう。 川と山の間に道が通り、関所が設けられていたのだろう。 そんな関屋の松を詠んだ歌 |
ゆききをばとどめぬ関のみどりなる 松や知る人ここにやすらふ | 久世通夏(出雲大社八景) |
久世通夏は江戸時代の京都の公家 ここには地元出身の昭和の文学者、阿部知二の文学碑もあった。 |
自然の中に美しきものを探り 人間の中によきものを求める | 阿部知二 |