すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
千本松原(静岡県沼津市)
沼津市から富士市の田子の浦までの海岸に沿って続く松原。 まさに白砂青松であるが、現在では高潮防止のために巨大な防波堤が築かれている。 こんなかんじ ![]() 本当は、富士山が正面にバーンと見えるはずだったが、この日は曇っていた。せっかく富士の景勝地に来たのに残念。 ![]() 平日の昼下がり。 車の営業マンたちの食後の昼寝スポットでもあった。 ![]() ここに千本浜公園がある。 この松原は多くの文人に愛されてきたらしく、公園内にはゆかりの文人の碑がいろいろある。 若山牧水って、酒と旅をこよなく愛していたが、若くして死んだ歌人。 有名なこの歌、 |
幾山河こえさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞけふも旅ゆく | 若山牧水 |
その他、井上靖とかの記念碑があったらしいが、広大な公園なのでどこにあるのか分からなかった。 この松原を植えたのが増誉上人という僧。増誉上人は念仏を唱えながら、ひとりで3カ月かかって植えたと伝えられている。 増誉上人の立像があった。 ![]() なにやら恐ろしげな雰囲気。 |
余りにも有名な千本松原であるが、歌枕としての和歌はそれほど残されていない。 これはどうかな?東関紀行から |
見わたせば千本の松の末遠みみどりにつづく浪の上かな | 源光行 |
聞きわびぬ千々の松原吹く風のひとかたならずわけしをる声 | 海道記 | |
千本の松原を吹く風が、松の枝をたわませる音を聞いて、 すっかり心細くなってしまった(日本古典文学全集) |
松原のしげみゆ見れば松が枝に木がくり見えてたかき富士が嶺 | 若山牧水 |