すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
旧山陽道の大山峠は、現在の広島市安芸郡瀬野川町上瀬と東広島市八本松町宗吉の間の峠道で、難所として有名であった。西の「宇津の中山」などと表現されていた。 明治時代、旧山陽道と平行して国鉄山陽本線が開業。しかし急勾配のため、牽引する機関車を補機として連結する必要があり、こちらも山陽本線の難所であった。瀬野駅と八本松駅の間にあることから、「 現在では、貨物列車のみ補機の機関車を連結して峠を越えている。 ところが上記スマホニュースのとおり、晩秋落ち葉の季節になると、線路に落ちた落ち葉が原因で車輪が空転して運行を取り止めることが時折ある。 そんな瀬野山、大山峠、セノハチを詠んだ歌 |
真木の葉のしなふせの山偲はずてわが越え行けば木の葉知りけむ | 万葉集 |
せの山にもみち常しく神丘の山のもみちは今日か散るらむ | 万葉集 |
横川の瀬のの大山水上に立ちくる浪や風のまにまに | 源重之 |
花やかに同じ夕べか安芸の国せのの大峰 |
源重之 |
紅葉ばの |
今川了俊(道行きぶり) |
上掲の万葉歌は、歌碑まで設置されているものの、これは紀伊国の妹背山の背山を詠んだものだと思う。 ■ 現地訪問 ![]() 国道2号線とJR山陽本線 ![]() 国道2号線の峠道だが、ふつうの山道になっていた |