すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


千里浜(和歌山県みなべ町)



ある本に、花山院が紀の国の千里浜で詠んだ和歌についてのことが書いてあった。
千里浜って、たしか熊野古道を歩いた時に訪問しているはず、と昔の写真ファイルを探してみたら、まったくイマイチの写真が何枚か見つかった。

       
う〜ん。何を狙ってこの写真を撮ったのかわからない。山道を歩いてきてJRの線路をくぐったら、そこが千里浜という場面で撮った一枚。撮影者の意図と写真がマッチしていない。

    

白浜向き。目津崎。その向こうに白浜半島があるはず。
ウミガメの産卵地らしい。

    
大阪向き。JR紀勢線がすぐ横を走っている。

    
熊野古道九十九王子の一つ、千里王子。











千里浜にゆかりのある歌の紹介





(後拾遺和歌集の枕詞)
熊野の道にて、御心地例ならず思されけるに、
海士の塩焼きけるを御覧じて


旅の空夜半の煙とのぼりなばあまの藻塩火たくかとや見ん 花山院
旅の途中で死んで夜中に煙となってしまったら、それを見て人々は塩を焼く火と思うのかな


千里王子に歌碑


「熊野道に千里の浜と言ふ所にて、御心地損なはせたまへれば、浜面に石のあるを御枕にて、御殿隠りたるに、いと近く海人の汐焼く煙りの立ち上る心細さ、げにいかに哀れに思されけんな」

旅の途中で病気になって、石を枕にして寝たそうだ。





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思ひとけば千里のかげも数ならずいたらぬくまも月はあらせじ 西行
















熊野古道を歩いていると、この周辺は梅林だらけでした。
シーズンに来たらとてもいいはず。

 

  

【追記】

2015年12月、千里浜に再訪。

鮮明な写真が撮れた


白浜向き。目津崎。





大阪向きは、ちょうどJR特急「くろしお」が快走!
素晴らしい!




千里王子の中に句碑を発見

桜貝大宮人の踏みし浜 下村非文



なんという木であろうか?
蘇鉄のような、南国特有の植物が覆いかぶさるようで、句碑と植物が一体化していた。




 







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