すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


殺生石(せっしょうせき)(栃木県那須町)




さぞかし昔の人は恐ろしかったのだろう。
火山や有毒ガスなどが科学的に分からなかった時代、これらは神とか鬼の仕業と考えられていた。
昔からこの付近は有毒ガスが噴き出し、近寄った鳥や虫が死んでしまうことから「殺生石」と名付けられた。
また草木も生えない独特の風景は、ここを訪れた人に地獄の場景を想起させただろう。
なんとも恐ろしげな場所である。




大満足!
東北は遠いので、一生のうちに行くことはないと思っていた。





殺風景な殺生石は、真冬の景色とマッチしている。





今は史跡として遊歩道なども整備されていて、多くの観光客がやってくるようだ。





う〜ん、千体地蔵か〜、
みんなラグビーの五郎丸選手のようなポーズをしていた。





「亡蛇石」
何か分からないが、恐ろしげであった。





殺生石の一番奥まったところ





奥まった所から下を見る。
現地では、すごい光景だと思ったが、写真で見ると普通である。






さて、元禄15年(1702年)に俳人松尾芭蕉が門下生の曽良と共にこの地を訪ねている。
このときの様子を著書の「奥の細道」で次のように書いている。

殺生石は温泉の出づる山陰にあり。石の毒気いまだ滅びず、蜂・蝶のたぐひ、真砂の色の見えぬほど重なり死す。

土が見えないくらいに虫の死骸が重なっていたとある。
春先とかに行ったら虫の死骸の重なったのが見えるのかな?
あんまり見たくないけど。






奥の細道には収録されていないが、殺生石での芭蕉の発句


の香や 夏草赤く 露あつし 芭蕉


殺生石の史跡内に句碑






このほか、芭蕉発句とされているが、実は違うらしいのが、これ

飛ぶものは雲ばかりなりの上 麻父


殺生石の史跡内に句碑

もともと、この句碑には「芭蕉」と彫られていたが、コンクリートで埋められたとのこと。


コンクリの埋め方が甘く、芭蕉て読めてしまう。









謡曲「殺生石」の謡蹟でもある。
内容は、どんなんやったかな?

【大辞泉】のより
 五番目物。玉藻前が狐の本性を現して討たれ、執心をもったまま殺生石に変じて人に災いを及ぼすが、玄翁和尚の法力によって成仏する。

ふ〜ん。











温泉に入りたかったです。





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