すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


妹山(せやま)(岡山県倉敷市)





永承元年 主基方 備中国 妹山
秋深みうかぶかげさへなりや河妹山のもみぢ色そえてみゆ 藤原家経



倉敷市真備町を東流する小田川の北岸に妹山(せやま)がある。

この歌には、鳴谷(なりや)川も詠み込まれている。小田川の旧称が鳴谷川だったのか、詠者が地名を勘違いしているのか私にはよく分からないが、語呂合わせで使われている。



小田川越しの妹山
この歌は秋の紅葉を愛でたものだが、私が行ったのは新緑の季節であった。






【弾琴岩】


奈良時代の政治家の吉備真備はこの辺りの出身である。
吉備真備は中秋の名月の夜に、妹山を望む岩の上で琴を弾いたと伝わっている。
ただしここには大きな岩が二つあり、どちらが弾琴岩なのか判別できなかった。




これなのか、



こっちなのか






吉備真備の遺徳を偲んで、江戸時代の大田南畝が漢詩を残している


遣唐帰去化皇風
文学長称吉備公
今日高山誰不仰
弾琴石妹村
大田南畝
南畝集)








弾琴岩の場所の経緯度は、34.616393, 133.645660
小田川の南岸の道沿いにある











copyright(C)2012 すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.