すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


志で神社(三重県四日市市)




「志で」の「で」は「氏」の下に「一」を書いた漢字だが、Homepage Billderではこの漢字が出ないので、ひらがなで表記した。


昔、聖武天皇が尾張方面に旅行に行ったが、その途上、この地で休憩された時に、随行していた丹比屋主真人が詠んだ歌が万葉集に残っている。


後れにし人を偲(しの)はく四泥(しで)の崎 木綿(ゆう)取り垂(し)でて幸くとぞ思ふ 丹比屋主真人(万葉集)


志で神社の境内に歌碑


都に残してきた恋人を偲んだ歌らしい。

歌の内容はともかく、これによると「四泥(しで)の崎」という地形がこの辺りにあったことになる。
現在は海岸から1キロメートル程度も内陸部にあるが、昔は海がすぐそばに迫り、この地は岬になっていたのか。

なお、現在の志で神社は前方後円墳を一部壊して建てられている。古墳を作る場所は周りよりも高くなっているところが選ばれるので、ここは元々から少し隆起した地形であって、それが岬として海に張り出していたのだろう。





そんなことを考えながら志で神社を訪問したが、暑さと連日の疲れから朦朧としてきたので、地形観察のフィールドワークは断念し、写真だけ速攻で撮ってすぐさま退散した。


白い鳥居って、なんか変な感じがした。


これが拝殿


歌碑の辺り。地元ライオンズクラブが立派な歌の解説の碑を建てている。





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境内を車で自由に走行し、そこらじゅうで駐車できるなど、
本当に大らかな感じの神社でした。





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