すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


しはぶきの杜(栃木県栃木市)








実にマイナーな歌枕

とりあえず、現地の案内板を転記

栃木市指定史跡          昭和六十二年指定
         しはぶきの杜
 森の中に小祠があり、地主の大関家では 大日様 を祀っ
ている。もとは愛宕神社が南に隣接してあり、これも
しはぶきの杜の神として、その地の人々に祀られていた。
この森の中に入ると、どこからともなく森の神の「しは
ぶき」(咳)が聞こえてきたのでこの名を生じたという。
平安時代以来の歌枕として有名である
                 栃木市教育委員会

      


『平安時代以来の歌枕として有名である』と結んでいる。

地元ではそれなりに有名だったのだろうか。

下野国の宇都宮では歌詠みが大層流行っていたらしいので。








「しはぶきの杜」を詠んだ歌


下野しはぶきの森の白露のかかるおりにや色変わるらむ 藤原朝忠


しはぶきの森の木末に音つれて今朝しもたつか秋の初風 藤原千条


しはぶきの森の木かげにともすれば流もむせぶ真清水の音 紀幹有


とひよれはこれそ昔の名をこうとこたふる老のしはふきの森 森風法印






■ 現地の様子



これが「しはぶきの杜」
私有地なので入れないとのこと



東側から撮影
田んぼ越しの「しはぶきの杜」













マイナー歌枕も好きです





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