すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
磯城(奈良県桜井市)
桜井市の大神神社から“山辺の道”を南へしばらく進んでいくと、右手の森の中に古代の崇神天皇王朝の都、「磯城瑞籬宮」(しきのみずかきのみや)の跡地が現れる。 現在では「志貴御県坐神社」となっていて、寂れている。 こんなかんじ ![]() 社殿。 物置小屋のようだった。 ![]() 鳥居と参道。 ![]() 「崇神天皇磯城瑞籬宮址」の碑 古代の「磯城瑞籬宮」と現在の「志貴御県坐神社」に共通するのは『シキ』と発音する地名で、『シキ』に由来する「敷島」は日本の国号になったほど由緒深い。このため「敷島」は「日本(やまと)」にかかる枕詞になったもの。 |
磯城島の 日本の国に 人二人 ありとし思はば 何か嘆かむ | 万葉集 | |
この大和の国に、私のいとしいと思う人が、もし二人もいると思うのだったら、 何をあれこれと嘆くことがありましょう。私の恋しい人はたった一人しかいない ものだから、あれやこれやと、気を遣うことばかり多いのです。 (桜井市のホームページより) |
う〜ん、大和魂を熱く歌い上げた万葉歌かなと思いきや、乙女の恋心を詠んだ歌だったとは! 「敷島」のイメージとしてはコレ |
敷島の大和心を人とはば朝日のにほふ山さくらばな | 本居宣長 |
また、鳥居の辺りに上記万葉歌の歌碑があったらしいが、写真を撮るのを忘れた。(残念) さて、殺風景な敷地に異様な案内板?があった。 ![]() 英語の「磯城瑞籬宮」案内板。 後に見えるのは三輪山か。鳥居もあるし、人々の髪型も古代大和風であるが、なんかヘン。 もうひとつ、万葉歌 |
しきしまの 大和の国は 言霊の さきはふ国ぞ まさきくありこそ | 柿本人麻呂(万葉集) | |
日本の国は言霊が幸いをもたらす国です。どうか私が言葉で「ご無事で いて下さい」と申し上げることによって、どうぞ無事でいて下さい。 <海路の旅に上る人に餞した歌> (桜井市のホームページより) |