敷津浦（大阪市住之江区）

（詞書）しきつのうらにまかりてあそびけるに、舟にとまりてよみ侍りける

船ながらこよひばかりは旅寝せむ敷津の浪に夢はさむとも		藤原實方（新古今集）
（私訳）今日は船の中で寝よう。敷津浦はしきりに波が寄せてきて夢見る間もなく覚めてしまうけど。

*「敷津」と「しきり」を掛ける

大阪市の住之江区には、万葉集ゆかりの「敷津浦」を冠した地名が多い。

　市立敷津浦小学校　・・・　北島2丁目
　市立敷津浦学園　・・・　南加賀屋3丁目
　敷津浦福祉会館　・・・　南加賀屋4丁目
　市営敷津浦住宅　・・・　御崎5丁目
　敷津浦北福祉会館　・・・　北島2丁目
　読売新聞敷津浦ＹＣ　・・・　御崎8丁目
　敷津浦東公園　・・・　御崎7丁目
　関西電力敷津変電所　・・・　北加賀谷5丁目
　敷津運河　・・・　柴谷1丁目

もとより、住之江区の辺りは中世以降に埋立てられたので、オリジナルの地名ではない。

そんな中、北加賀谷の関西電力敷津変電所へ

関西電力敷津変電所

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周辺の交差点

これも

なんてこともない道路
昔は海だった。

住吉の敷津の浦のなのりその名は告りてしを逢はなくも怪し	万葉集
*「なのりその」・・・海藻(ホンダワラ）の古名　　　　　　　　　　　　（枕詞）同音の繰り返しで「名」に掛かる　　　　　　　　　（序詞）名乗るを導く

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浪速区にも「敷津」の地名があった