すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
新宮(和歌山県新宮市)
新宮には熊野三山のうちの熊野速玉大社が鎮座する。 ただし、この熊野速玉大社を詠み込んだ歌はなぜか見つからない。 本宮大社や那智大社の歌は無数に残っていることからしても変な感じである。歌の詠み手の平安貴族たちが熊野御幸で大挙してやってきたというのに、どうしてだろう? ただ、なんとなく分かる気がする。 速玉神社って、なんというかImpressionやEmotionがない。旅には感動や印象強さが必要なのに、それがないような。 誰もが内心そう思っているのでは? ボロクソに書いてしまったが、そんな熊野速玉大社に行ってきた。 ![]() ジャーン!拝殿登場 これはこれで感動モノ! ![]() この角度もサイコー! ![]() 熊野詣のお守りとしての「梛」の木。巨大な御神木は圧巻! ![]() そんでからコレ、熊野御幸の碑。上皇、女院、親王の熊野御幸の回数を記している。全員で二十三方、合計140回の参詣があったらしい。 これもとっても“いいね” では、数少ない新宮関連の歌を紹介 |
熊野新宮にてよみ侍ける
あまくだる神やねがひをみつしほの 湊にちかきちぎのかたそぎ | 中原師光朝臣(玉葉和歌集) |
熊野三山と言えば参詣曼陀羅。これも素晴らしい!![]() |
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境内には後白河上皇が楽しんだ有名な今様の歌碑があった。 |
熊野へ参るには 紀路と伊勢路のどれ近し どれ遠し 広大慈悲の道なれば 紀路も伊勢路も遠からず |
後白河上皇御撰(梁塵秘抄) |
熊野速玉大社を直接詠んだものでないが、これも境内に歌碑があったので紹介する。 |
岩にむす苔ふみならす、み熊野の山のかひある行く末もがな | 後鳥羽院(新古今和歌集) |
熊野速玉大社の境内に歌碑