すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


塩竈(宮城県塩竈市)




大相撲のテレビ番組を見ていて、ふと思ったのが、相撲の番付のように歌枕の番付をしてみたいと。

全国規模で考えると収拾がつかなくなるので、手始めに、歌枕の宝庫といわれる陸奥国で「みちのく歌枕番付」を作ってみたい。

とか、いろいろ考えてみると、東西両横綱はやはり「白河関」と「塩竈浦」だろう。

大関はどうだろうか。「衣川」や「信夫」ぐらいか。

松島」、「末の松山」「武隈の松」は関脇で、
小結は「野田の玉川」、「宮城野」、「安積山」あたりか。

筆頭前頭は「阿武隈川」で、それなら「姉歯の松」「阿古耶の松」はどうしようか、とか考えていると、こっち立てたらこっちが立たないとかで、頭がおかしくなりそうだ。

う〜ん 歌枕番付の作成は長期的な課題としよう。











2016年1月、大人のみちのく一人旅に出て、福島県から宮城県の主要な歌枕の地を巡った。
その中で、沿岸部分にある歌枕の地は東日本大震災の津波被害を受けており、まだまだ復興の途上にあった。


宮城県塩竈市の「塩竈の浦」も津波により壊滅的な状況にあったが、関係者の多大な努力により復旧作業が進んでいるようだ。

イオンタウン塩竈ショッピングセンターの屋上から撮影



ここの津波襲来の映像は何度も見た。



マリンゲート塩釜も再建中



このマンションも記憶にある。
マンション住人が撮影した映像はすさまじかった。


たしかな復興の槌音が響いていた。









【塩竈神社】

陸奥国の一宮で、全国の塩竃神社の総本山。

案内板とかを読むと、本当に由緒深い神社であるようだ。

(興味ある人は塩竈神社公式サイトまたはWIKIPEDIAの塩竃神社へ)


あんまり神社仏閣に興味ないのだが、歌枕巡りをしている以上、塩竈神社は外せないので、とりあえず行ってきた。


左右宮拝殿。
唐門をはいって正面の社殿。



1月中旬の訪問なので梅かなと思ったが、サクラらしい。
「四季桜」といって10月頃から4月頃にかけて咲くヒガンザクラの一品種と。(塩竈市観光物産協会のホームページ)




唐門から南方向。
階段があって山を下りていく。
実はこれが本来の表参道。
今回は車で山の上までやってきたため、この表参道の階段は上っていない。




そんで、これが有名な塩竈桜。
案内板によると、特徴は、
  ・めしべが変化して2〜3枚の青い葉となり、
  ・花輪がはなはだ短く、
  ・花弁は35枚から50枚で、
  ・縦じわがあり、云々と
まだまだ続くのであるが、植物の種類にそれほど興味はない。
真冬だったので、枝だけの桜の木に感興も湧かなかった。


この塩竈桜を詠んだ歌


あけくれにさそな愛で見む塩竃の桜の木に海人のかくれや 堀河天皇


唐門の右手の塩竈桜の前に歌碑




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その他、塩竈を詠んだ歌



塩釜にいつか来にけむ朝なぎに釣する舟はここによらなむ 伊勢物語



君まさで煙たえにししほがまのうらさびしくも見えわたるかな 紀貫之



陸奥はいづくはあれどしほがまの浦こぐ舟の綱手かなしも 古今和歌集



見し人の煙となりし夕べより名ぞむつましき塩釜の浦 紫式部




いやはや、どれも秀歌ばっかり!

さすが、歌枕の横綱!みちのくの塩竈の浦!

来て良かった! 





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最後に、この写真、

塩竈神社の庭園から塩竈の海を望む
素晴らしい!


もう一枚貼っておこう

水平線が見えるようなところが海









「塩竈」は、読めてもこの漢字は書けません




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