すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


鹿ヶ瀬峠(和歌山県広川町)




熊野古道の紀伊路で最大の難所といわれているのが鹿が瀬峠。
かの藤原定家をして「崔巍の嶮岨」と嘆かせしめたほどの急峻な山越えルート。
熊野古道歩きで踏破した時の写真を紹介。









坂道になると文句タラタラの家内と母親思いの娘と三人で歩いた。

山道にさしかかった所で柵が登場、「まむし」と「ハチ」注意の看板










ここまで上り道。家内はずっと文句を言っていた。






峠を越えて山を下りてきたところ。
娘はこのごろ変な踊りを覚えてポーズをとっている。



さすが難所だけあって、こんな変なナメクジみたいな
生き物が登場した。



こんな鹿ヶ瀬峠を詠んだ歌が残っている。



鹿の脊山をこゆるに 雨またふり出ぬ
たび衣かはるまてぬれ乎けり鹿の脊山を雨にこゆとて 熊野紀行




鹿の瀬山に寝たる夜、鹿の鳴くを聞きて
浮かれけむ妻のゆかりのせの山の名を尋ねてや鹿も鳴くらむ いほぬし










「鹿背(瀬)山」とは、一般的に京都府木津川市の歌枕の方が段違いに有名。ただし京都の方は「カセ」と読み、和歌山の方は「シシガセ」である。











いつものことですが、峠を越えることよりも文句を聞く方が
はるかに疲れます。




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