すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
武蔵野に占へ肩灼きまさでにも告らぬ君が名うらに出にけり | 万葉集 | |
(私訳)武蔵野で、鹿の肩骨を焼いて占ってもらったら、 まだ誰にも明かしていない貴方の名前が現れた |
この万葉歌は女性が詠んだ歌で、恋歌。 大昔、人の名前は霊的なものとされ、簡単には名前を明かさなかったらしい。そんな時代に占いで好きな人の名前が現れたということは運命的ことだったと思う。 と言うか、本当にそんなことってあり得るのかな。占いで人の名前を的中させるなんて、尋常ではない。 たぶん、人は知らないと思っていたけど、実はみんな知っていて、占いに託けてからかわれたのだが、それも分からず真に受けて、挙げ句の果てにこんな歌まで詠んでしまった、ということかな。 埼玉県のJR川越駅の近くの浅間神社に占肩の鹿見塚の石碑があるが、 神社関係の建物の奥に隠れている。 JR川越線の建設工事の際に、ここへ移転されてきたものらしい。 移転についての経緯はいろいろとあるようだが割愛したい。 ![]() 浅間神社 (埼玉県川越市富士見町21−1) ![]() 古墳の上に浅間神社がある 住所が「富士見」なので、古墳の上から富士山が見えるのかな 左の建物との間の暗い部分に万葉史跡がある ![]() 占肩の鹿見塚の石碑 ![]() こんなかんじの万葉史跡 |