すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
静原(京都市右京区)
山がつの住みぬと見ゆるわたりかな冬にあせ行くしづはらの里 | 西行 |
木樵のような身分賤しい者が住んでいたと思われる辺りだよ。 冬とともに荒涼とした景色になって行く静原の里は (新潮日本古典集成、山家集) |
洛外の山間の集落として侘しい情景が詠まれている。 現在でも道路は通ったものの、なんとも田舎じみた光景であり、中世からあまり変わっていないのだろう。 こんな感じ ![]() 江文峠の方から静原の里を望む ![]() 左に立派な道路があって、鞍馬と大原と繋がっている。 ![]() 集落の住民の姿は見えなかったが、ハイカーは大勢いた。 ![]() 静原神社。村の鎮守社なのだろう。 ![]() 閑寂としていた。 西行の歌がなかったら、絶対に立ち寄ることもないような僻村であった。 ただし歴史的には、後白河法皇が寂光院の建礼門院を訪ねた御幸ルートは鞍馬から江文峠を抜ける道で、すなわち静原を通ったということだが、その程度のエピソードしかないような、そんなところであった。 |
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