すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


静原(京都市右京区)




山がつの住みぬと見ゆるわたりかな冬にあせ行くしづはらの里 西行
木樵のような身分賤しい者が住んでいたと思われる辺りだよ。
冬とともに荒涼とした景色になって行く静原の里は
(新潮日本古典集成、山家集)
 




洛外の山間の集落として侘しい情景が詠まれている。
現在でも道路は通ったものの、なんとも田舎じみた光景であり、中世からあまり変わっていないのだろう。





こんな感じ


江文峠の方から静原の里を望む




左に立派な道路があって、鞍馬と大原と繋がっている。




集落の住民の姿は見えなかったが、ハイカーは大勢いた。




静原神社。村の鎮守社なのだろう。




閑寂としていた。








西行の歌がなかったら、絶対に立ち寄ることもないような僻村であった。
ただし歴史的には、後白河法皇が寂光院の建礼門院を訪ねた御幸ルートは鞍馬から江文峠を抜ける道で、すなわち静原を通ったということだが、その程度のエピソードしかないような、そんなところであった。

















静原っていうネーミングはいいのですが。







copyright(C)2012 すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.