すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


勝持寺(京都市西京区)





花見んと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける 西行



能「西行桜」は世阿弥の傑作のひとつ。


え〜と、内容は、
京の西山に隠棲していた西行は、桜シーズンに一人で桜を愛でていると、大勢の人々がやってきて、一人花見は台無しになった。
そこで西行は、人々がやってきたのは桜の罪だと詠じたところ、その夜に西行の夢枕に桜の精が現れて、「桜は勝手に咲いたもので、桜に罪はない」と西行を諭す。
やがて桜の精は桜の花を讃えながら舞を舞い、朝がきて西行は夢から覚める、
「花を踏んでは同じく惜む少年の春の夜は明けにけりや翁さびて跡もなし」
という感じでエンディング。



私が文章で書くと全くダメだが、とにかく個人的にも大好きな演目である。











さて、西行が隠棲していた西山の庵は、現在の勝持寺とのこと。
境内には西行桜がある。
そのほかにも季節ごとの花が楽しめることから「花の寺」と呼ばれている。


都名所図会「花の寺」 (国際日本文化研究センター)





勝持寺山門





大かたにあはれとは見ず桜花植ゑけむ人をきくにつけても 烏丸光広















西行マニアの聖地です






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