すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


曽我川(奈良県御所市)

曽我川は、御所市南部の重阪が源とされ、橿原市、大和高田市等、奈良盆地の西部を北上して最終は河合町で大和川に注ぐ。
橿原市の曽我を流れるので曽我川と称せられるもの。
巨勢の谷を流れる部分では巨勢川ともいう。古くは能登瀬川とも呼ばれ、また百済川との異称もある。



ま菅よし宗我の川原に鳴く千鳥間なし我が背子我が恋ふらくは 万葉集
曽我川の河原で鳴く千鳥のように、絶えずあなたのことを恋してます。
*「ま菅よし」は「曽我」を導く枕詞



 今回、曽我川の巨勢の谷を流れるところを訪ねた。
古代の南海道と言われる巨勢路が旧街道として残り、曽我川と並んで巨勢谷を縦断。
現在は近鉄とJRも同じように走っている。
古来、交通の要所だったのだろう。


近鉄吉野線、葛駅近辺



近鉄線の鉄橋が見える。
この川沿いの道が巨勢路。



川と旧街道に沿って古い街並みが続いていた。



この先、重阪地域が源流域。




 






能登瀬川という別称もある

さざれ波礒越道なる能登瀬川音のさやけさたぎつ瀬ごとに 波多朝臣小足(万葉集)
能登瀬川の激流の音はすがすがしい。
「さざれ波」と「礒越道なる」は枕詞と接頭語





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それなりに趣のある川と旧街道でした。






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