すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


添うが森(群馬県高山村)








群馬県高山村には、あわび姫と小野俊明の悲しい恋の伝説が伝わっている。

恋の願いを叶えたい人は「添うが森」へ、離縁したい人は「添わずが森」に行くと良いらしい。

現地の案内板を転記する。







添うが森と添わずが森


天慶(てんぎょう)の乱に平将門の征伐のため東国(とうごく)に下った小野好古(おののよしふる)の家臣小野俊明(おののとしあき)は、日頃恋い慕う「あわび姫」の色香に迷い出陣の機を失いました。それから女に迷う罪悪を悟って出家して、名を熱退(ねったい)(又は祢津太江(ねつたい))と改め、尻高龍海山泉照寺(りゅうかいさんせんしょうじ)の住職となりました。
 天慶七年(九四四年)の八月、あわび姫は一子小太郎を伴い、熱退を訪ねてはるばる慕ってきたのに、熱退はどうしても逢いませんでした。そしてあわび姫に一首の歌を送ったのです。
美しき花に一足踏み迷い 出家の道をかがやきにけり
 あわび姫は身を悲しんで、一子小太郎とともに河水に身を沈めた際に、一首の歌を遺しました。
半形(はんぎょぅ)となるもあわびの片思ひ 未来は深く添ふが森せぬ
 村の人はその母子を哀れんで亡き骨を葬り、これを「鳥見塚(とりみづか)」といいました。この塚に恋の願いを掛けると必ず叶うと言うので「添うが森」と呼ぶようになりました。
 熱退和尚は病気となって「吾れ死なば鳥見塚の向いの地に埋めよ」と遺言し、一首の歌を遺して亡くなりました。
身を思へば世に名をよごす人々の 迷ひの花を散らしけるらむ
 村の人々は遺言に従ってこれを葬り、「熱退の塚」と名づけました。熱退の亡霊が悪縁切れない人の夢枕に立って、「吾れを信ずれば必ず縁を切らせるであろう」と云ったので、この塚を「添わずが森」と呼んだそうです。
 注 「かがやく」とはこの地方の言葉で、探し求めることをいう。

平成二十四年十月設置
高山村教育委員会






■ 現地訪問




添うが森

この茂みの向こうに見える鳥居のところに案内板が見える。そこに小さな祠があるはずだが、真夏(8月のお盆)だったので道が藪で消えていた



歳をとってから、虫や爬虫類が苦手になり、訪問を断念



鳥居や案内板にはたどり着けなかったが、「添うが森」としての全景写真は撮れた





※ 「添わずの森」は気がつくと車で通過していました











なんだかよく分らない訪問でした





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