すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
菅の井(神戸市須磨区)
菅原道真公が太宰府に左遷された際、風雨を避けて船がこの近辺の浦に停泊した。この地の当主の前田氏が井戸水を届けたところ、道真公はご感悦し、自画像を前田氏に与えた。 前田氏はその井戸を「菅の井」と名付け、その水で作った銘酒「菅の井」を太宰府に送るようになった。 こんな伝説が残る「菅の井」は山陽電鉄須磨寺駅の東すぐのところにある。 いやはや、菅原道真公が太宰府に流されたとき、その道すがらさまざまな足跡を残しているが、いろいろ眉唾的なものも多い。 ここもどんなものか分からないが、とりあえず訪問した。 ![]() 公園の一画にあった。公園の名は「菅の井広場」。 ![]() 前面道路は西国街道。 ![]() カキツバタの名所であったらしい。 ![]() これがカキツバタの名残なのか。 ![]() これこそ「菅の井」かなと思って近づいてみると、道真公の手植えの松の跡であった。 ![]() 根元が残っていた。 ![]() となりは元宮長田神社。 ところで、「菅の井」が見当たらず、そのまま帰ってきたが、家で改めて他人のホームページを見ると、ちゃんと井戸の写真もあった。 見逃していたようだ。 ここでは、摂津名所図会の著者の湘夕(秋里籬島)が歌を詠んでいる。 |
菅の井を汲めどもつきじ大自在名まへたのもし神の恵に | 湘夕 |
前田氏とか、銘酒「菅の井」は今どうなっているのだろうか |