すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


菅の井(神戸市須磨区)




菅原道真公が太宰府に左遷された際、風雨を避けて船がこの近辺の浦に停泊した。この地の当主の前田氏が井戸水を届けたところ、道真公はご感悦し、自画像を前田氏に与えた。
前田氏はその井戸を「菅の井」と名付け、その水で作った銘酒「菅の井」を太宰府に送るようになった。

こんな伝説が残る「菅の井」は山陽電鉄須磨寺駅の東すぐのところにある。



いやはや、菅原道真公が太宰府に流されたとき、その道すがらさまざまな足跡を残しているが、いろいろ眉唾的なものも多い。
ここもどんなものか分からないが、とりあえず訪問した。


公園の一画にあった。公園の名は「菅の井広場」。



前面道路は西国街道。



カキツバタの名所であったらしい。



これがカキツバタの名残なのか。



これこそ「菅の井」かなと思って近づいてみると、道真公の手植えの松の跡であった。



根元が残っていた。



となりは元宮長田神社。



ところで、「菅の井」が見当たらず、そのまま帰ってきたが、家で改めて他人のホームページを見ると、ちゃんと井戸の写真もあった。
見逃していたようだ。




ここでは、摂津名所図会の著者の湘夕(秋里籬島)が歌を詠んでいる。


すまに泊まりし時、前田氏より菅の井といふ名酒を贈らる
菅の井を汲めどもつきじ大自在名まへたのもし神の恵に 湘夕



前田氏とか、銘酒「菅の井」は今どうなっているのだろうか












車を路上駐車していたので、現地滞在時間は1分ほどでした。





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