すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


須佐(和歌山県有田市)




あぢの住む須佐の入江の荒磯松吾(あ)を待つ子らはただ一人のみ 万葉集
(私訳)アジというカモ(鳥)が棲息している須佐の入江の荒磯に一本だけ生えている
松のように、私を待っていてくれるのは一人だけです。
 


この万葉歌を知った時、和歌山県有田市の須佐という地名は「万葉の昔からあったんや」と驚嘆したものであるが、今回現地に赴き、須佐神社を訪ねてみて、実はもっと昔の、神々の時代からの由緒があることが分かり、改めて尊崇の念を禁じえないものがある。


※いろいろと須佐神社について調べてみたが、想像以上にスゴいことがわかった。興味ある人はWikipediaの須佐神社(有田市)


上記の万葉歌については、若者のほとばしる恋の思いを歌っていて、まあ、どうってことのない内容である。

須佐神社に行く前に、とりあえず「須佐の入江」を探訪

須佐神社からほど近い千田漁港。
地形的にこの付近は、歌のとおり荒磯が続くが、入江と言える場所はない。この漁港も荒磯を防波堤で取り囲み、無理やり内海部分を確保しているもの。
アオリイカが釣れそう。





続いて須佐神社へ

国道沿いの入口から参道の階段を見上げる。
須佐神社は山の中腹にある。


たしかに格調高そうな雰囲気である。


鈴門。
この向こうに拝殿と本殿があるが、写真はない。




村の鎮守社程度と思っていたが、まるで違っていた。


境内から村を見下ろす。この道はすぐに千田漁港に至る。



こんな須佐神社を詠んだ歌


いたけるの神のしきます紀の国といはふかぶろの神の宮これ 本居宣長


須佐神社の境内に歌碑

寛政六年十一月 本居宣長が須佐神社に詣でた。
紀の国を治めた五十猛命の親神、素戔嗚尊を祀っているのはこの宮であるとの意味。
「かぶろ」とは御親のこと
筆跡は宣長の真筆による
(説明板より)










じつはあんまり古事記とか日本書紀とかに興味がなく、
スサノオがどうのこうのって、よくわかりません。





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