すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


硯井(すずりい)(岡山県玉野市)






え〜と、ここは菅原道真ゆかりの地のようだ。
ちょうど現地に案内板があったので転載しよう。

硯井の由来
901年(延喜元年)右大臣菅原道真公は、左大臣藤原時平の画策により、大宰権師に左遷され、海路瀬戸内海の船旅を続けて筑紫に赴く途中、水を求めてこの地に着かれた。今は干拓されて陸地になっているが当時は海であった。干上がった海中の砂の窪みから、水が噴き出している所があった。思わず口に入れてみると不思議なことに海の中にありながら少しも塩分の無いおいしい水であった。その水を汲み上げて硯にうつし、一首の歌を書いて里人に与えた。

海ならず たたえる水の底までも 清き心を月ぞ照らさん
後になって、その人が天神様であったことを知った里人は、この水の湧く所に井戸を作り、鳥居を建て、この丘の上に天神社を祀り、長くその徳を慕ったのである。
それ以来、海の中に清水の湧く硯井として有名になり手習いや書初めには、遠方からこの水を汲みにくるようになった。なお、天神社(天満宮)は学問の神様として崇められている。
1997年3月吉日 
大崎観光協会


こんなかんじで、道真公左遷の道中エピソードの地となっている。

京都から大宰府までの道中には、無数のこの類のエピソードが残されており、全てのエピソードが本当にあったならば、どれだけの日数がかかるのか、一度計算してみたい。




【現地訪問】



この案内板によると、この辺りは海だったらしい。
線路の向こうに広がっているのが干拓地。



干拓地を眺めていたら、JR宇野線の213系が通過していった。
昔は寝台特急瀬戸が走っていたことを思うと感慨深いものがある。



県道405号の脇にあった。



こんな井戸



昔風の鳥居があった。
右手がJR宇野線、左手が国道。



そしてこれは硯井天満宮。県道をはさんで南側にある。
上りの階段が見えたので、訪問はパス。




















道真公がここで歌を詠まなかったら、多分来ることはなかった






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