すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


田原坂(たばるざか)(熊本市北区)





雨は降る降る 陣羽(じんば)は濡れる 越すに越されぬ 田原坂



西南戦争で最大の激戦地となった田原坂。
熊本城攻略を目指す政府軍と西郷隆盛が率いる薩軍との間で17日間にわたって死闘が繰り広げられた。

そんな明治の古戦場がこのホームページにどうして採り上げられるのかというと、田原坂の戦いを伝えるための民謡が地元で伝承されていたこと。
それがこれ。


雨は降る降る 陣羽(じんば)は濡れる 越すに越されぬ 田原坂
右手(めて)に血刀 左手(ゆんで)手綱(たづな) 馬上ゆたかな 美少年
山に屍 川に血流る 肥薩の天地 秋にさびし
草を(しとね)に 夢やいずこ 明けのみ空に 日の御旗
泣いてくれるな かわいの駒よ 今宵しのぶは 恋でなし
どうせ死ぬなら 桜の下よ 死なば屍に 花が散る
田原坂なら むかしが恋し 男同士の 夢の跡
春は桜よ 秋ならもみじ 夢も田原の 草枕
熊本民謡


田原坂公園内


田原坂公園内



え〜と、「雨は降る降る じんばは濡れる・・・」のじんばは、もともと「陣羽」という雨具が濡れるという意味であったが、その後に「人馬」が濡れるというふうに改変されたらしい。
最近では平仮名で「じんば」と記すようだ。







そんな田原坂に訪問してきた。 




向かったのは田原坂公園。



お約束の記念写真グッズ
西郷隆盛と、熊本鎮台の谷干城が登場



「弾痕の家」
激戦地にあった民家を移築



薩軍塚



西南役戦没者慰霊之碑
官軍、薩軍双方の戦死者が祀られている。



「田原坂」の民謡に登場する美少年。
死闘の場面に美少年は関係ないと思うけど。
土台の部分に民謡が刻印されている。



樹齢400年の楠
西南戦争の生き証人



忠烈碑



展望台があった。



熊本方面



熊本と反対側(福岡側)








田原坂の激戦地である一ノ坂、二ノ坂、三ノ坂。



谷を隔てて見えるのが一ノ坂



これが二ノ坂



これが三ノ坂




今となっては普通の道であった。






鳴きもせでぐさと刺す蚊や田原坂 夏目漱石













司馬遼太郎の「翔ぶが如く」を再読したいと思いました。






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