すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


橘の里(石川県加賀市)












旧東海道や旧中山道に比べ、旧北陸道に関する情報は極端に少ない。

それは当たり前で、中世以来の京都江戸を結ぶ大動脈と、北陸のローカル街道ではヒト、モノの交通量が全く違うし、宿場町も幕府が整備したものではないし、東海道中膝栗毛のような物語も作られず、広重の東海道の浮世絵のようなものもあったのかなかったのか分からない。

旅人が少ないので東海道名所図会のような案内書もない。そのため情報が当時から少なかった。

今となっては、どこに宿駅があったのか、ルートはどうだったのか、判然としないところも多い、らしい。

そんななか、地元自治体の観光案内などで、「昔の北陸道の面影をそのまま残す数少ない貴重な古道」と紹介されているのが、加賀市の旧橘宿あたりの旧街道。

いやいや、昔の面影が「残っている」というよりも、宿場町が「山に返った」という表現の方が相応しいような現在の姿であった。







■ 現在の橘宿の様子


「旧北国街道」の石碑
背後に見えるのは橘の集落
宿駅は集落を超えて山道を進んだ先にある



山道といっても自動車は通れる



山の中に「橘の宿跡」の石碑があった
ここに宿駅があったようだ



回りの風景



これも。ここに宿駅があったとは想像できない
自然に返ってしまったようだ



道標があった。ここで吉崎へ向かう道と別れる
「右 吉崎(蓮如道) 左 細呂木(一里)」



現地案内板の地図






道興准后が東国巡礼で橘宿に来泊


旅立つもさつきの後の身なりけり我に宿かせ橘の里 道興准后(廻国雑記)


現地の「由来記」の文中に歌が刻印









加賀の有名な女流俳人、加賀の千代女は吉崎へ参詣の途にこの地の茶屋で休憩した。


四季いろいろ 殊更春の 植木茶屋 加賀の千代女


現地に句碑








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道の倒木で車が傷付かないか心配でした





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