すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


鷹島(和歌山県湯浅町)






明恵上人
「紙本著色明恵上人像」(高山寺蔵、国宝)



明恵上人は鎌倉時代の高僧で、京都栂ノ尾の高山寺を創建したり、華厳宗を再興したり、政治的にも影響力があったり、あの西行と親交があったりと、とにかく有名な人物。

樹上で座禅を組んでいる上の画像のとおり、自ら厳しい修行を課したことでも知られ、その中で生涯二回にわたり、この湯浅湾に浮かぶ刈藻島で修行をしている。


湾内の一番右手のデコボコした島が刈藻島



そして、今回の歌枕、鷹島はその左手にある島。

結論から言うと、
明恵上人は鷹島に行ったときに小石を持ち帰り、この石を愛でて常に手元に置いていたが、のちに高山寺で死ぬときに「私が死んだあと、だれも可愛がってくれなかったら、鷹島に飛んで帰りなさい」と詠んだというもの。

我さりて後に忍ばん人なれば飛びて帰りね鷹島のいし 明恵上人(玉葉和歌集)



さて、湯浅町には明恵上人が開いたと伝わる施無畏寺(せむいじ)がある。他の人が作ったホームページで施無畏寺に関する項目を見ると、山の中腹に施無畏寺があり、頂上まで登ると上記の明恵上人の歌碑があり、そこから望む湯浅湾の眺望は素晴らしく、眼下に鷹島と刈藻島が見下ろせる、ただし坂は厳しく、汗だくになって登ったとある。


山道を登るのも物憂いので、思いきって車で上ることにした。


「農免道路」。農業予算で作られた道らしい。











結局、ミカン畑の中から抜け出せず、目的地にはたどり着けなかった。最後は片側が崖になっている狭い道をバックして戻るハメになってしまった。




眺望は山側ばかりであったが、季節柄、素晴らしいものがあった。


一か所だけ海側の眺望が開けた場所があった。




山の中腹にある施無畏寺。山門。






説明板。歌の解説もあった。







明恵上人は変な歌も残しているので紹介。

あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月 明恵上人

月の明るい様を詠んだらしい












なんかよくわからない訪問でした




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