すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


高師(愛知県豊橋市)




三河国の歌枕の地、高師に行ってきた。
和泉国の高師浜とよく間違える。
一般的には「高師」は和泉国、「高師」は三河国であろう。
ただし「更級日記」には三河国の方で「高師の」の記述があるので、ややこしい。
この三河国の高師も、もともと渥美湾に面していたということもあり、それが上記の分類ですっきり腑に落ちない点になっている。


昔の豊川は河口付近で大きく広がり、洪水のたびに流れを変えていたらしいので、東海道を行く人々にとって大変な難所であったという。
このため、豊川の右岸の渡し場である志香須賀から、一気にこの高師まで舟で渡していたこともあったらしい。


こんな感じ








三河国の歌枕、高師に行ってきた。
しかし、なんと道を間違えてしまい、それでも地図で確認せず、勘で方角を考えて進んで行った。民家の間を過ぎて、彷徨っていたら、突然、高師緑地という公園に出た。


なんか、外国のような雰囲気


これも。


これも。
写真は普通の公園のようであるが、実際にここに来た時は外国にいるようであった。


ここはオーストラリアかヨーロッパなのか?

いやはや豊橋市の郊外でした。

   
   豊橋鉄道、高師駅




では、ゆかりの歌



朝風にみなとをいづるとも舟は高師の山のもみぢなりけり 西行




西行もうひとつ

こぎいでて高石の山を見わたせばまだ一むらもさかぬ白雲 西行
船を漕ぎ出して高師の山を見わたすと、まだ一固まりも咲か
 ない、白雲のような桜は(和歌文学大系21から抜粋)
 




十六夜日記では、

高師の山も越えつ。海見ゆるほど、いとおもしろし。浦風荒れて、松の響すごく、浪いと荒らし。

わがためや風もたかしのはまならむ袖のみなとの浪はやすまで 阿仏尼











和歌の本とかを見ると、さまざまな人が高師山を詠っている。
結構メジャーなところだったんだ!






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