高師浜（大阪府高石市）

音に聞く高師の浜のあだ波はかけじや袖の濡れもこそすれ	祐子内親王家紀伊（百人一首）
噂に高い、高師の浜にむなしく寄せ返す波にはかからないようにしておきましょう。袖が濡れては大変ですからね。（浮気者だと噂に高い、あなたの言葉なぞ、心にかけずにおきましょう。後で涙にくれて袖を濡らしてはいけませんから）【小倉山荘WEB】

音に聞く高師の浜も埋め立てられてコンビナートに変わっている。
埋め立てられる前は松林が広がり、風光明美な環境から、大阪からの行楽地になっていた。
今でも浜寺公園や高石神社あたりに一部、松林が残されている。

※「高石」の地名は「高師」から転じたのだろう。

臨海道路の高石大橋あたりの海を見学。
「あだなみ」とは、『たいした風もないのに立つ波。変わりやすい人の心、軽々しい行為など』（goo辞書）のこと。この日は春の強い低気圧の影響でとても強い風が吹いており、「あだなみ」どころではなかった。

高石神社を訪問。
境内の奥に祐子内親王家紀伊の歌碑があった。
（この石は和歌山県北部産の緑色片岩（深成岩）だと見当をつけました。）

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高石神社にある歌碑

古いのか、何が書かれているのか判然としなかったが、ようやく、「祐子」の文字が判別でき、歌碑であることがわかった。

大伴の高師の浜の松が根を枕きて寝る夜は家し偲はゆ	万葉集
（私訳）高師の浜の松の根を枕にして寝たら家のことをしみじみ思ったよ

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町を歩いてみた

南海高師浜線　　　　　　　　　住所標識「高師浜」

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高師の浜の松林の一部は浜寺公園として整備され、現在に残っている。

　　　　　　　　　　　大久保利通の「惜松碑」（浜寺公園）

明治6年に時の内務卿大久保利通が伐採される浜寺の松を惜しみ、上記の和歌を詠んだ。これがきっかけとなり、浜寺の松は伐採を免れることとなった。

ふるさとの和泉の山をきわやかに浮けし海より朝風ぞ吹く

与謝野晶子

浜寺公園には与謝野晶子の歌碑もあった。

先般、阪神高速湾岸線を走る機会があったので、
高石の三井化学大阪工場を撮影した。

これなんか、夕方具合がとてもいいと思う。

これも

昭和40年代に埋め立てられてできたコンビナート。