すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
波の音を心にかけて明すかな |
西行(山家集) |
西行法師は、平清盛が造営した厳島神社へ向かう途中、風待ちで一夜をこの地で明かしている。 ここ この歌は、西行が高富浦の庵で苫葺きから洩れてくる月明かりを見て詠んだもの。 実際、「 ■ 現地訪問 高富浦は、呉市の「グリーンピアせとうち」の敷地内の海岸とのこと。 西行庵も再現されているらしい。 ![]() グリーンピアせとうちの宿泊棟を過ぎてずっと進んでいくと海岸沿いにプールがある。夏休みだったのでとても混んでいた。プールの中は文字通り芋洗い状態だった。 ![]() 駐車場の一番奥の立入り禁止のロープを越えていく ![]() ここが高富浦 ![]() これも 風待ちにうってつけの静かな海だった ![]() 海岸から西行庵に続く道がある ![]() 西行庵 ![]() 恐ろしげな西行像だった |
現地の案内板にあった苫屋の想像図 もう一つ、高富浦を詠んだ歌 |
夕まくれたかとみつれは荒磯の波間をわくるみさこ成ける | 源俊頼(散木奇歌集) |
「ひろしま文化大百科」という広島情報を紹介するホームページに掲載されていた源俊頼の高富浦を詠んだ歌。
これを読み解くと、 ・九州筑紫へ下向する際に、高富という所で「ミサゴ(鳥)」の「いを(魚)」を獲ったのを見て詠んだ ・「夕まくれ(夕間暮れ)」、「鷹」と見たのは「ミサゴ(鳥)」だった なんと、鷹と見つれば〜の中に高富が隠れている まあ、ミサゴも鷹も夕暮れ時なら見間違うだろう |