すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


高津宮大阪市中央区)





 高津宮と言えば、落語の「崇徳院」ゆかりの地。
NHK朝ドラ『ちりとてちん』で九官鳥が「瀬をはやみ〜」としゃべりだしたシーンを思い出す。



瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ 崇徳院(百人一首)

別れた男女が行く末に一緒になるという歌意。





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さて、生玉神社へ行ったついでに、近くの高津宮へも足をのばした。

参道の横に民家が並んでいる。



参道に架かる「梅之橋」。
上町台地の湧水がここを流れて、その果ては
道頓堀に注いでいたらしい。



社殿
なにかと由緒あるあれやこれやがあるらしく、
そこらかしこに説明書きがあった。



じゃーん!
仁徳天皇が高殿に登って、民のかまどから煙が立ち上っているのを見ている図!



【民のかまど】

あるとき、全国に飢えがひろがり、民家のかまどから煙すら上がらない様子を見て、
仁徳天皇はいたく憂慮し、この先三年間は租税と労役を免除とした。
その結果、三年後にはどの家のかまどからも煙が立ち上ったという伝説。


世界最大級の天皇陵を作った人の話とは思えないエピソード。




これが現在の高殿なのか。
上町台地の上から見下ろすことができる。(少しだけ)

高き屋に のぼりて見れば 煙立つ 民のかまどはにぎはひにけり 仁徳天皇



「高台之頌碑」
和歌、そして仁徳天皇の人となりや事績が漢文で綴られている。








歌の光景が「摂津名所図会」に描かれている。










都会の喧騒を忘れるような静かなところでした。

桜の時期に行ってみたいと思います。





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