すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


竹河(三重県明和町)




源氏物語に「竹河」という巻がある。
すでに光源氏は亡くなっていて、息子の薫の代に物語は進んでいるのだが、正月二十日過ぎ、梅の花盛りの頃に薫が玉蔓の邸を訪ねる場面がある。
薫は女房たちの憧れの的であったので大歓迎され、その後に若者たちが集まってきて大宴会が始まった。
琵琶、筝の琴、和琴、あづま琴が見事に奏でられ、さらに催馬楽「竹河」が演奏された。(催馬楽は古代の歌謡)


次の朝、

竹河の橋うちいでし一節に 深き心の底は知りきや 薫君(源氏物語)
竹河に夜を更かさじといそぎしも いかなる節を思ひおかまし 藤侍従(源氏物語)




催馬楽の「竹河」にちなんだ歌の交換を行っている。

「竹河」は、斎宮のすぐ近くを流れる川。
催馬楽「竹河」は斎宮に住む乙女に恋する内容。



じつは催馬楽という古代の歌謡について、どんなものなのか全くわからない。一度聞いてみたいが、多分退屈な音楽なのだろう。


なお、催馬楽「竹河」の節は次の通り

竹河 
竹河の 橋の端なるや 橋の端なるや 花園に はれ
 花園に 我をば放てや 我をば放てや 少女たぐえて










このページ、よく分からない展開になってしまったが、とにかく三重県の竹河(川)に行ってきた。






伊勢街道の橋から撮影。
現在では「祓川」。竹河(川)は古名。
斎宮に入る前にこの川でお祓いをしたことから「祓川」というらしい。

訪問したのは8月だったので、川は濃い緑に覆われている。



秋の竹河を詠んだのが次の歌

紅葉の流るゝ時はたけ川のふちのみどりも色かはるらむ 凡河内躬恆(拾遺和歌集)






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(追記)

「竹河」の近くに「竹神社」があった。
謡曲「絵馬」ゆかりの地らしい。
「絵馬」は知らないのだが、せっかく写真を撮ってきたので、ここに掲載。


竹神社



境内



保存会の説明板


なんだかよくわかりません。
 










催馬楽の「竹河」と三重県の竹川の関連性が今一つ分かりません。





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