すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


竹島(愛知県蒲郡市)




平安時代末期の高名な歌人である藤原俊成(藤原定家の父)は、若い頃に三河守を勤めていた際に、蒲郡あたりの開発を行ったらしく、この地は何かと藤原俊成にとってゆかりのある地となっている。
蒲郡の海岸の沖合にある竹島には藤原俊成が琵琶湖の竹生島から勧請
した八百富神社があり、日本七弁天の一つとされている。


竹島。
島の全域が八百富神社の境内となっている。
大正時代に参拝用の橋が架けられた。


なお、蒲郡の海岸は「竹島ベイパーク」として整備され、その中の「俊成苑」に藤原俊成の像が建立されている。


園内には水族館もあるらしい。


海岸は芝生で整備されている。
平日だったので、老人の団体が多かった。


「俊成苑」碑と、沖の竹島


俊成像。
とにかく立派であった。

     
            二首の歌が併記されていた。

世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる 藤原俊成

岩間もる玉かげの井のすずしきに 千歳の秋を松風のふく 藤原俊成


 この二首がどのような経緯で選ばれたのかよくわからない。
竹島とか蒲郡とは関係なさそう。
ただ、下の歌の「千歳」については、竹島の八百富神社の摂社に「千歳神社」があり、祭神は藤原俊成となっている。
なにか「千歳」つながりがあるのかな。


ちなみに近代の歌人の佐々木信綱が竹島で詠んだ歌にも「千歳」が歌い込まれている。


歌人の 国の司の みたまこもり 千歳さかゆる これの 竹島 佐佐木信綱

 ※「千歳神社」に歌碑があるらしい。











NHK朝の連続ドラマ「花子とアン」の蓮さま、のモデルとなった柳原白蓮も竹島へ来て歌を残している。


浪のおと 風のおとみな とほつ人の ききしもかくや竹島の浦 白蓮


 












訪問する前の期待感と、訪問後の気持ちの
けっこう落差の大きい場所でした。




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