すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


玉島川(佐賀県唐津市)





玉島川は、背振山地の佐賀福岡県境に源を発し、唐津市の山地を西流し、「虹の松原」の東の端から唐津湾に注ぐ。二級河川。


万葉集で有名な松浦(まつら)川とは、この玉島川のこと。
唐津湾の東がら伸びてきた「虹の松原」の砂州は、玉島川の流路を西に曲げ、砂州に沿って西流した後、現在の唐津城付近で海に注いだ。


昔、神功皇后が三韓征伐に先立ち、この川で鮎釣りの占いを行い戦勝を祈願したという伝説があり、鮎釣りに因んだ歌も多く詠まれている。



こんなかんじ



松浦川川の瀬早み紅の裳の 裾濡れてか釣るらむ 大伴旅人(万葉集)


虹の松原万葉の里公園に歌碑





松浦川七瀬の淀は淀むとも 我れは淀まず君をし待たむ 大伴旅人(万葉集)


虹の松原万葉の里公園に歌碑





春されば我家の里の川門には 子さ走る君待ちがてに 大伴旅人(万葉集


虹の松原万葉の里公園に歌碑





玉島のこの川上に家はあれど 君を恥しみあらはさずありき 大伴旅人



松浦なる玉島川釣ると 立たせる子らが家道(いへぢ)知らずも 大伴旅人(万葉集)



玉島やおちくるの河柳 下葉うち散り秋風ぞふく 藤原家隆



春風にころも吹かせて玉島や この川上にひとり釣る 橘曙覧



松浦河月あかくして人の世の かなしみさへも隠さふべしや 斎藤茂吉





「鮎」の字は、「魚」で「占」なった神功皇后の故事に基づくものとか違うとか。






九州旅行の際に現地を訪ねた。


【玉島神社】 ・・・ 佐賀県唐津市浜玉町南山2396


社頭。国道323号線に面している。



厳しい石段を上ったところに社殿。
勿論、御祭神は神功皇后。



境内からは玉島川が望むことができる。



境内から玉島川の上流方向。



清らかな流れであった。



河口付近









玉島神社の場所






もっとメジャーになっても良いと思います。






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