すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
玉造(大阪市中央区)
黒門といえども色はあおによし奈良漬にして味をしろうり | 貞柳 |
黒と青と白を掛けているようだ。 記念碑の手前に畑があったので、現在もここで白瓜が栽培されているのかも。 さて、こんな由緒のある玉造を詠んだ歌を紹介 |
湊入りの玉つくり江にこぐ舟の音こそたてね君を恋ふれど | 小野小町(新勅撰集) |
う〜ん、個人的には小野小町は東北にゆかりがあるので、宮城県大崎市の玉造江、現在の江合川を詠んだ歌のように思う。 ただし、大阪の玉造にも少し前まで玉造川があったことはあった。 猫間川といって、上町台地の東麓を北上する小さな川であったが、昭和30年代に埋立てられて消滅している。往昔は玉造川とも呼ばれていたらしい。 玉造稲荷神社へ訪問した折に、その玉造川、消滅前の猫間川の痕跡を求めて歩いてみた。 ![]() コンクリート橋の欄干部分が残っていた。 ![]() こんな感じ。 ![]() 川筋跡 もう一つ、玉造川の歌 |
ひとつして萬代照らす月なれば底も見えけり玉造川 | 夫木和歌抄 |