すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
玉造江(宮城県大崎市)
今回はみちのくの玉造江。 玉とは、昔の白玉、紅玉、碧玉、珠玉、真珠、なんだか分からないが宝石のことだったのだろう。 そんな素晴らしいモノを造っている場所なので、さぞかし美しかろうということで、玉造江は歌枕となってきた。 とは言え、実際どこが玉造江なのかよく分からない。 どこかに案内板でもあるのだろうか。 江戸時代の地誌「奥羽観蹟聞老志」によると、
松尾芭蕉に随行した曽良が記した「曽良日記」には、
まあ、とにかく玉造江の歌を並べてみよう。 |
陸奥の 玉造江に こぐ舟の 帆にこそいでね 君を恋ふれど | 小野小町 |
をく露の玉つくり江にしけるてふ蘆の末葉のみたれてそおもふ | 常磐井入道前太政大臣(玉葉恋) |
湊路にいさ舟とめむ今宵われ玉つくり江に照月を見て | 中納言高定 |
蘆の葉のしけみに露をふきとめて玉造江に村雨そふる | 藤原知家 |
月もすむ玉つくり江はあられふりこほりみかける名に社有けれ | 藤原俊成(夫木和歌抄) |
ひとつしてよろつをてらす月なれは底も見えけり玉つくり川 | 源重之(夫木和歌抄) |
う〜ん、多分だれも現地に行っていないのだろう。 |
さて、現地訪問であるが、とりあえず「玉造」と名が付くポイントを目指した結果、「玉造クリーンセンター」に到着。![]() 廃棄物リサイクルというか、ゴミ収集のトラックが出入りしていた。 ![]() この先に川があるのだが、これ以上入れなかった。 ![]() 江合川。 玉造江は玉造川であって、現在の江合川のことだろう。 ![]() 灌漑用の堰 ![]() 一般的にきれいな光景であった。 |