すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
田上(滋賀県大津市)
いやはや、 全国各地の「ゆかりの地」めぐりをしていると、時には、こんなことも起こるもの。 万葉集に出てくる「田上山」と、近江百人一首の「田上川」と、両方狙って行こうと計画を立てた。 万葉集の方は、田上公園に歌碑があることも情報収集できた。 「田上山」は現在では「太神山」となっていて、地図で確認をした。 「太神山」から流れて出し、「田上公園」の横を流れている川こそ「田上川」であろうと想像。 そばには「田上小学校」もあるし、これで決まり!と思っていた。 結果、 田上公園が広すぎて、万葉歌碑を発見できず。 田上公園の横を流れているのは天神川で、 田上川は現在では大戸川と呼ばれ、田上中学校の傍らを流れている。 田上公園から田上山は見えなかった。 つまり、山も川も歌碑も空振りしてしまった。 ![]() 方角を合わせて撮影した。 方角は合っているが、手前の山に隠れている。 ![]() 河川敷が延々と公園になっていた。 ![]() いろいろと探したが、結局歌碑探しは断念。 |
やすみしし 我が大君 高照らす 日の御子 荒栲の 藤原が上に 食す国を 見したまはむと みあらかは 高知らさむと 神ながら 思ほすなへに 天地も 寄りてあれこそ 石走る 近江の国の 衣手の 田上山の 真木さく 檜のつまでを もののふの 八十宇治川に 玉藻なす 浮かべ流せれ そを取ると 騒く御民も 家忘れ 身もたな知らず 鴨じもの 水に浮き居て 我が作る 日の御門に 知らぬ国 寄し巨勢道より 我が国は 常世にならむ 図負へる くすしき亀も 新代と 泉の川に 持ち越せる 真木のつまでを 百足らず 筏に作り 泝すらむ いそはく見れば 神からにあらし | 万葉集 |
この万葉歌の歌碑は、田上公園内に「砂防百年」記念碑があって、その側面に刻されるらしい。いやはや残念無念。 田上川を詠んだ歌 |
田上や瀬々の早瀬に梁さして夜としなれば浮寝をぞする | 曽禰好忠 |