すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
垂井の泉(岐阜県垂井町)
中山道の垂井の宿場町の名称の元になったのが、県指定の天然記念物、垂井の泉である。 「続日本記」天平12年(740)12月条に見える、美濃行幸中の聖武天皇が立ち寄った「曳常泉」もこの場所と考えられている。 ただし、エピソードとしてはそれくらいで、『中山道』『宿場町』『泉』と役者が揃っている割には、物足りなさが否めない。 探せば遊女伝説でもあるのだろうか? 【垂井の泉】・・・不破郡垂井町泉 玉泉院という寺にある 寺は閉まっていて、泉は工事中であった。 訪問したのは1月の10日前後。だれも観光客がいなかった。 いろいろ立入禁止になっている これはこれで良いものがあった。 こんな垂井の泉を詠んだ歌 |
昔見し たる井の水はかわらねど うつれる影ぞ 年をへにける | 藤原隆経 |
我が袖の しずくにいかがくらべ見む まれにたる井の 水の少なさ | 参議為相卿 |
里人も くみてしらずや けふ爰に たる井の水の 深き恵みを | 飛鳥井雅世 |
あさはかに心なかけそ玉簾 たる井の水に袖も濡れなん | 一条兼良(藤川の記) |
葱白く 洗いあげたる 寒さかな | 松尾芭蕉 |