すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


蓼科山(長野県立科町)









茅野市から蓼科山を眺望








山ます/\高く 雲いよ/\低し




結局は雲が垂れ込めて蓼科山は見えなかったということ。


蓼科山には登ってもいないし、その山容を眺めたわけでもないので、あんまり書くこともない。


Wikipediaの説明文を拝借する。
 蓼科山(たてしなやま)は八ヶ岳連峰の北端に位置する標高2,531mの火山。コニーデと呼ばれる台地状の火山に、円錐型のトロイデを重ねた複式火山。諏訪から仰ぐと優美な円錐型に見えることから、諏訪富士の別名も持つ。山体は八ヶ岳中信高原国定公園に含まれる。日本百名山のひとつ
















さて、蓼科山と文学の関わりについては、蓼科の温泉旅館、蓼科親湯温泉のホームページに詳しく解説されている。

これによると、もともと信玄の隠し湯だったが明治時代に温泉旅館として開業。その温泉旅館をアララギ派の歌人の伊藤左千夫が大いに気に入り、次第に明治大正の文豪たちのたまり場となっていったとのこと。

現在もちょっと贅沢な旅館として営業している。いつかゆっくり訪問してみたいものだ。



(素晴らしいホームページです)


















蓼科山を詠んだ歌



蓼科出湯の谷間末遠く雪の御岳今日さやに見ゆ 篠原志都児
茅野市出身の歌人


信濃には八十の郡山ありといえど女の神山の蓼科われは 伊藤左千夫


立科の山のいただき見ゆるまで甲斐の長路を明日かへりみむ 伊藤左千夫


蓼科の湧くゆ掘りきつと言もうれしきとろろ芋汁 伊藤左千夫


蓼科の山の奥がと思ひしをこは花の原天つ国原 伊藤左千夫


あみて広き尾のへに出でて見れば今日は雲なし立科の山 伊藤左千夫


草枯岡いくつも超えて来つれども蓼科山はなほ岡の上にあり 島木 赤彦


湯のうへの岡にのぼれば眼近なり雪の残れる蓼科の山 島木 赤彦


蓼科はかなしきと思ひつつ松原なかに入りて来にけり 斎藤 茂吉


冬さびし前山のうへに蓼科の全けきは今ぞ見えわたる 斎藤 茂吉


秋の日のますみの中に蓼科はただ穏やかにしづまれにけり 土屋 文明


蓼科のまつむし草のあはれさよ 山口青邨


蓼科に春の雲動きをり 高浜虚子


蓼科の春雪霏々と馬の仔に 木村蕪城


蓼科は被く雲かも冬隣 石田波郷












Wikipediaの蓼科山の写真を載せておく



















ホテルライフをゆっくり楽しむような旅をしてみたいです。







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