すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


   竜田川(奈良県平群町)


毎年紅葉の季節になると気になっていた奈良県の竜田川に11月下旬に行ってきました。

JR王寺駅から徒歩で15分。

奈良県立竜田川公園に着きました。

カメラを手にした人や犬の散歩の人が紅葉を楽しんでいました。

たしかにきれいな紅葉だったけど、ちょっと違うなー。

からくれないに水くく』ってるのを期待して来たんだけど、水は普通に流れてました。

もう少し時期を遅らせたらよかったのかな。

けれども、川の水量が多いので、川を真紅にくくり染めるのは無理っぽく思いました。




【竜田川公園】


 






伊勢物語の「筒井筒」では在原業平が高安の女のところに通う際に竜田山を越えています。

山を越えるのに何で「白波」が出てくるのか違和感がありましたが、今はそうでもないです。






帰りの王寺駅。117系が停車していました。





ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは
(百人一首 在原業平)


歌碑は斑鳩町の上宮遺跡公園にあった
 





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【補足説明】

上記は、秋の紅葉で有名な「からくれない」の竜田川を求めて、斑鳩町を流れる「竜田川」 を訪ねた時のもの。
この川は生駒市に源を発し、生駒山の東麓を南流、生駒川、平群川と名称を変えて、斑鳩町では竜田川となって最後は大和川に合流する。
ただし、これは江戸時代に紅葉の名勝地として売り出すために、平群川の一部を竜田川と称し観光地化したもの。川の両岸に植えられた紅葉はその後順調に生育し、現在では奈良県立竜田公園として本物以上に紅葉の名所となっている。


なお、中世の竜田川は現在の大和川とするのが定説となっている。









「大和国 竜田川」
六十余州名所図会(広重、Wikipedia)






或る人曰く「ニセモノは本物たらんとするため本物よりも本物らしい」




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